いきなりですが、良い音質で音楽を聞いたことがありますか?
この文章を読んでくださっているあなたは日頃から音楽を聴いているかと思います。そして、少なくともより良い音質に興味がある方だと思っています。
最近、我が家に本格的なオーディオ機器を揃えました。友人や家族を私の部屋に招いて音楽を聴いてもらったところ、皆が「違い」に驚きます。
例えば、我が家に来た母が、「今日は疲れた」と言いながら寝そうになったタイミングで、本人が大好きな「スキマスイッチ」のCDをかけたら、音の違いに「秒」で気づいて起きました笑
ちなみに私のスピーカーやヘッドホン、プレーヤーなどの機器は「超」が付くハイエンドばかりではありません。それでも、ここまでの違いがあるのです。工夫さえすれば、数万円程度の機器の組み合わせで、圧倒的な音質の違いを実現できます。
ところが、ほとんどの人が良い音を知らないまま🥺
それも無理はありません。パソコン・スマホで気軽に音楽を聴ける時代にもかかわらず、オーディオン世界は①専門用語のオンパレードでちんぷんかんぷん。しかも、ハイレゾにさえすれば音質が良くなるといった②誤解が蔓延しています。
ついでに言うと、専門店はもちろん家電量販店でも高級オーディオコーナーの店に入る③敷居の高さといったら雲を突き抜けるほど。しかも、流れているのはなぜかジャズ(笑)
かくして良い音を試聴する機会にも恵まれません。本来は身近な存在であるべき音楽が、遠い存在のまま…それは大変もったいないことです。
遠い世界に行ってしまったオーディオを身近に感じてもらうため、今回のテーマは「良い音とは何だろう」ではありません。そのような記事は巷にごまんとあります。
今回は、良い音を聞いた時の「感動とは何だろう」です。
好きな曲、思い出の曲で再び感動を
「良い音」とは何でしょうか。検索すれば、ブログやメーカーや小売店サイトの解説がいくらでも出てきます笑
難しい解説はともかくとして、良い音はシンプルに「感動」します。
そこにジャンルの違いはありません。ジャズやクラシックはもちろん、J-POPやロック、アニソン、ゲームやアニメ、映画のサントラ、歌や演奏がうまいユーチューバーのコンテンツでも何でもいいのです。
いや、むしろ身近な曲を聴いてこそ、しかも、これまで幾度となく聞いた音楽なのに圧倒的な違いを再発見した時こそ、喜びがひとしおです。
私にとっての身近な例を挙げさせてください。それは、人気ゲーム作品「ファイナルファンタジー10」のエンディング曲です。このゲームの「泣けるエンディング」は国際的に定評があり(100%主観)、海外のゲームプレイ動画でも感動して泣いている人たちを集めたコンテンツがあるほど。
ここで流れる「Ending Theme」という、そのままエンディングテーマを意味する曲もまた。名曲で知られています。それだけに、日本だけでなく海外でもオーケストラ、個人・少人数によるピアノや弦楽器の演奏など、様々なコンテンツがあります。
それらはYoutubeで視聴することができます。中でも、ドイツの楽団「the WDR Funkhausorchester」と一流ピアニストによる演奏が私の「推し」です。
私は、それなりの本格的な機器とヘッドフォンでこの曲を聴いた時、その「違い」に圧倒されました。
象徴的なのは、中盤から後半にかけてのピアノでの物悲しい旋律。ゲームをプレイした人なら、涙流さずには入れれないシーンです。この演奏では、バイオリンなどの弦楽器がそのピアノの旋律に合わせて、合いの手を打つかのように小さく音を奏でます。
*上記のコンテンツの55分からの30秒間がそのシーン(旋律)です
その小さな音が「聞こえる」のです。ヘッドフォンの場合は空気の振動として聞こえるのです。感動しないわけにはいきません🥺また、鉄琴の音色も美しくてもの悲しさを携えて伝わってきます。
それ以前は聞こえていなかった音でした。少なくとも、他の音と一緒になってしまい、本物の楽器のようには聞こえてきませんでした。それゆえ、そもそも小さい音にはあまり意識が向きませんでした。
ちなみに、この曲のクライマックスのシーンでは音量が上がり、安いスピーカーやヘッドホンだと音がつぶれてしまいます。一方、それなりのグレードの機材で聴くと音がつぶれません。
*上記のコンテンツの56分後半のシーン(旋律)です
もはや別の曲に変貌
もう一つの例が、ドラゴンクエストのサウンドトラックです。
大変有名なのが、東京オリンピック2021の開幕式流れだ「序曲」。高校野球甲子園大会でも流れることがある「ドラクエ3」の先頭の音楽や、トヨタ自動車の「プリウス」「アクア」のCMでも流れた「おおぞらをとぶ」でしょう。
個人的に椅子から転げ落ちそうなほどに驚いたのは、「ドラクエ5」の戦闘シーンの音楽「戦火を交えて」です。曲の中盤から、ドラムの圧倒的な響きが「ドン!ドン!」とこちらを襲ってきます。迫力のある音は、聞き手にアタックして来る感覚を覚えるほどです。
*幸運にも、今住んでいる部屋は集合住宅ながらも「楽器可」の防音性能が高いところです。そうでない部屋なら、音量を絞らないとお隣にも轟(とどろ)くほどの迫力です(汗)
ちなみに、ゲームでは敵を短時間で倒せば、曲の中盤を聴くことなく戦闘は終わり、別の曲に切り替わります。実際にゲームをした人はお判りでしょうが、この中盤の音楽が流れるときは大体、苦戦している時(笑)
相手の強力な攻撃をくらって立て直しを余儀なくされていたり、逆に敵が絶妙なタイミングで回復魔法を使って復活を許してしまったりした時に聞こえてくる旋律です。
こうした戦闘で苦戦した時の苦い思い出が、圧倒的に響き渡る音によって改めてよみがえってきます。いくらゲームという架空の世界での「遊び」であろうとも、戦闘している主人公たちは「差し迫る緊張感」と対峙しているのだと再認識しました。
これこそが感動といえる体験です。良い音を聞くことの価値の一つです。かなりのお金をつぎ込んでいますが、私にとってはそれだけの価値があったともいえます(汗)
パスしていた曲がむしろ大好きに
かつてはこの戦闘曲「戦火を交えて」は、どちらかというとパスして次の曲を聴いている節がありました。
当時は、CDの音楽データをパソコンに落として(リッピングといいます)、またはユーチューブを通じて、廉価な卓上スピーカーでドラクエの音楽を聴いてしました。
それが、本格的なオーディオ機器によって、もはや別次元の曲といえるほど迫力のある曲に変貌した今では、むしろ積極的に聴きたい曲に「昇格」を果たしました。
このほか、宇多田ヒカルの「何色でもない花」も、本格的なオーディオ機器を通じて聴くと、立体感バツグンで感動します!
オーディオの世界では、「S/N比」や「ダイナミックレンジ」といった用語で説明されたりします。
このような用語を使わなくても、音の広がり、一つ一つの音が粒のように分離して聴こえる、楽器の音が々しい、低音が轟き、そして小さい繊細な音が立体的に聞き取れるといった変化が明らかです。
そうした変化があると、「音の重厚感と繊細性が『足して2で割らない』、または迫力と繊細さの二兎を得る」という体験になったり、「ライブやコンサート会場のように広がって聞こえる」といったように聞こえます。
興味深いことに、「今まで聞いた中で一番、リアルで聞いた音に近い」と感動します。ということは、「今まで聞いてきた音と違う」体験と、「実体験(リアル)に近い音」への感動…この「違う」と「近い」の両極端の体験が感動を生むことになります。
私は、音楽の素人なので、各々の楽器を正確には知りません。詳しい人が読んだら、「なんだ、この素人!」と思う次元です。それでも音楽に感動できるのだから、全ての人が感動できるということをお伝えしたかった次第です。
知識よりも体験を
最後に少しだけ愚痴を(笑)
「良い音」にまつわる記事・コンテンツは掃いて捨てるほどあります。
でも、大体はすぐに小難しい話に入ってしまいます。PCMやらロスレスやらサンプルレートやらビット深度やら…
ひどいのは、イヤホンやヘッドホンを否定して、「スピーカーこそが正義である」という宗教じみた話を展開するコンテンツも存在します。
そう考えると、世の中に一つくらいは最初から最後まで、専門用語が登場しないで身近なテーマに終始するコンテンツがあっても罰は当たらないはずです。
最後に、良い音はどこで聴くことができるのか?これは別記事で紹介するとして、簡単に紹介します。
①都市部の大型家電量販店に行く
例えば、秋葉原のヨドバシカメラにはおそらく日本でも最大級の本格オーディオコーナーがあり、オーディオショップに引けを取りません。しかも、ショップよりもちょっとだけ入りやすいです。
ここに、自分の好きな曲が入ったCDを持ち込めば音楽を聴くことができます。CDドライブがなく、ストリーミングを専門とする機器(ネットワークプレーヤー}なら、スティック型USBメモリでも再生ができます。
ヘッドホンやイヤホンなら、東京・秋葉原や大阪・日本橋などにあるイーイヤホン、または東京・中野にあるフジヤエービックで気楽に視聴できます。
家電量販店では高級ワイヤレスイヤホンの視聴イベントもあります。手持ちのスマホとすぐに接続できるので、その実力をうかがい知ることが手軽にできます。
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